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チンパンジー言語訓練ブログ

このブログは私(チンパンジー)の言語訓練に用いられます。

けものフレンズを影から支えた「海賊」(下) ~海賊版のパラドックス~

(けものフレンズを影から支えた「海賊」(上) ~バイラルマーケティングの証明~

けものフレンズを影から支えた「海賊」(中) ~スロースターター~の続きです)

答えはそう、「海賊」だ。

ためしに、googleやyahooで「けものフレンズ 動画」と検索してみると、出てくる出てくる。それはもう大量の違法な無料海賊版だ。

私は、インターネットにあまり詳しくない。P2Pも使わないし、torも使わない善良なインターネット市民だ。そんな私でさえ、十数秒あればけものフレンズ海賊版にアクセスすることが可能なのだ(私は見ていない事をことわっておく)。

けものフレンズを見た人のうち、ほぼ全てを占めているのであろう中途参加者のほとんどは、一度や二度ほど、もしかしたらもっと多いかもしれないが、海賊版にお世話になったと考えるのが自然だ。過ぎた話を無料で見る方法はこれしかない。

つまり、けものフレンズの成功は、海賊版を抜きにしては成し遂げられなかったと私は考える。

海賊版が正規品を助ける現象は、「海賊版パラドックス」と呼ばれる(「フリー」の受け売りである)。

もし海賊版が無ければ、「なんかちょっと流行っているけど見てみようかな。あ、全部見るには金いるのか、そこまでして見るクオリティには見えないし、まあいいや。」という感じになっていたはずである。

確かに、9話あたりの後半の話題の爆発度は、新参に金を払わせるほどの圧を持っていたかもしれない。だがその圧は、軽く話題になっていた、まだ圧がそれほど強くない時に海賊版を見た中途参加者が生み出したものである。

海賊版が無ければ、流行りの芽がここまで大きくなる事は無かったのだ。けものフレンズに限らず、途中から話題になっていくアニメの全てが、かなり海賊の力を借りていると言っていいと思う。

バイラルマーケティングと無料海賊版は、切って離せない関係なのだ。

私は、海賊行為を奨励しているわけではない。ただ、ほぼ100%事実として、この海賊行為は多くのアニメに貢献している部分もあると述べているだけだ。もちろん損害を与える部分もある。

そこで、アニメ業界は二つの事について真剣に考えなければならないと私は思う。

まず一つ目。アニメを無料で(無期限に)公開することによって生まれる損害と利益、この二つの大小関係を考える必要がある。

無料で公開することによって生まれる損害は、DVDを買うインセンティブ(買う理由)が弱くなり、売れる確率が減るということだ。しかし、実際のところどれだけダメージを受けているのだろうか。海賊版よりも、高画質で録画できるHDDの方がよっぽどDVDの売上を減らしているように思うのは私だけだろうか。一方で海賊版は画質も悪く、邪魔な字幕が入っていることも多い。そんな海賊版で満足するような顧客は、そもそも購入を期待できないため、損害は大きくならないと考えられないだろうか。

(しかも、購入を期待できない顧客にアクセスすることは無意味ではない。むしろとても意味のある事だ。なぜなら彼らは、お金を払う事はしなくても、面白いと思ったアニメのために無料で働いてくれる。彼らは高い確率でSNSにおける発信源となり、未発掘の優良顧客を掘り出してくれるのだ。)

一方、無料で公開することによって生まれる利益は、かなり大きく見える。ずっと話してきたように、海賊がいなければ、おそらくけものフレンズはここまで流行っていなかった。「フリー」にあった言葉を借りると、作家の敵は著作権侵害ではなく、知ってもらえない事である(作家コリー・ドクトロー氏の言葉)。少数の顧客にアクセスしてセールスするよりも、大多数の顧客にアクセスしてセールスする方がいいに決まっている。無料で公開することによってアクセスできる顧客の数は、有料の時と比べて圧倒的に多いのである。その数の差は、無料で公開することによって少し下がってしまう、売れる確率を埋め合わせるには、十分なように思える。

この損害と利益を計測することは非常に難しいのだが、アニメが公式に無期限で無料公開されることがあまりないので、アニメ業界は損害の方が大きいと決めつけてしまってはいないか心配である。

そしてもう一つ考えなければならない事は、仮に海賊を取り締まる事を諦め、開き直って自ら無料で公開した場合、どのようにお金を儲けるかということだ。無料で公開するデメリットが大きいと考えても、実際問題取り締まれないのであれば、批判をするよりも、逆に利用することを考える方が効率的だ。

これについて、アニメ業界はもう答えを出しつつある。グッズや、舞台、ステージなど海賊版を作りにくいもので儲ければいい。DVDを金儲けのメインに据える時代は終わりに近いと、多分彼らは分かっていると思う。(こう考えると、声優も顔が重視されるというのは当然の事だろう。せっかくお金を払って見に行ったステージで、誰も現実に戻りたくないはずだ。)

世はまさに大海賊時代。海賊、無料が当たり前の時代になろうとしている。ならば、「無料」を味方につけて他を出し抜くのが賢い選択ではないだろうか。

バイラルマーケティングという形で図らずも海賊たちを味方につけ、大成功を収めたアニメ、けものフレンズ。彼らの次の一手は無料を味方につけるか、敵に回すか。注目である。

※以下追記

長かったので簡単にまとめると、

けものフレンズを一話から見ていた人はほとんどおらず、途中からという人が多い。

途中から見た人はテレビ放送を途中から見ているとは考えづらく、何らかの形で終わった話を見ているはずである。

その方法はおそらく海賊版で、そう考えると、けものフレンズ海賊版が無ければここまで流行る事は無かったと考えられる。

という感じだ。

(このブログは私の言語訓練に用いられます)