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けものフレンズの二次創作ガイドラインについて④ ~同人マークライセンスとの比較~

 

(この記事は大きな記事の一部です。初めてこのシリーズをご覧になった方はこちらへ)

(けものフレンズの二次創作ガイドラインについて③ ~けものフレンズのガイドラインとの比較~の続きです)

 

では次は、「同人マーク」ライセンスと比較してみる。

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(以下引用)【https://commonsphere.jp/doujin-license-1/

 

 

同人マーク・ライセンス 1.0

 

本作品は、以下に定める同人マーク・ライセンス(以下「本ライセンス」といいます)の条項のもとで提供されます。

 

第1条(利用許諾)

 

1.許諾者は、利用者に対し、本作品について、全世界において、本作品の著作権の存続期間中、本ライセンスの各条項に従い、利用者自身が、二次創作同人誌を作成し、同人誌即売会において配布すること(有償および無償の場合双方を含みます。また、インターネット配信やCD、DVD等のデジタルメディアでの配布などのデジタルデータによる配布は除きます。以下同じ)を非独占的に許諾します。

 

2.利用者は、前項の利用にあたり、以下の各号の利用条件を遵守するものとします。

(1)利用者は、二次創作同人誌の作成にあたって、本作品の全部または一部をコピーまたはトレースするなどの方法によりそのまま利用してはなりません。

(2)本作品の二次創作同人誌には、本作品名と、利用者の連絡先(メールアドレスなど)のわかる奥付の記載を推奨いたします(義務ではありません)。

(3)本作品の二次創作同人誌における表現については利用者の皆様の判断にお任せしますが、法令や公序良俗に反する態様での利用(過剰な性的表現、特定の個人、団体、人種などの名誉を著しく損なう内容、著しく違法行為を助長する内容など)はお控えください。

 

 

第2条(ライセンスの終了および配布禁止等)

 

1.利用者が本ライセンスのいずれかの条項に違反したと許諾者が判断した場合には、その二次創作同人誌の対象部分について、それ以降の配布を中止していただく場合があります。

 

2.利用者が本ライセンスの違反を繰り返したと許諾者が判断した場合または本ライセンスについて重大な違反をしたと許諾者が判断した場合、許諾者はその対象者に対し、本ライセンスによる本作品の利用許諾を将来に向けて停止することがあります。

 

本ライセンスは、本ライセンスによる利用許諾の範囲外の利用や、本ライセンスが付されていない他の作品の利用について、何らかの意思を表示したり、従前と扱いを変える趣旨のものではありません。

 

また、このマークまたは利用許諾条項の頒布は法的アドバイスその他の法律業務を行うものではありません。コモンスフィアは、この利用許諾の当事者ではなく、ここに提供する情報および本作品に関し、いかなる保証も行いません。コモンスフィアは、いかなる法令に基づこうとも、あなたまたはいかなる第三者の損害(このマークまたは利用許諾に関連する通常損害、特別損害を含みますがこれらに限られません)について責任を負いません。

 

 

(以上引用)

※引用者が不要だと判断した、改行による行間スペースを削除しました。

※読みやすくするために段落番号部分を一部改変しました。内容は変わっていません。

 

 

クリエイティブコモンズライセンスと同人マークライセンスの比較は、公式回答があったためそれを引用する。

 

(以下引用)【https://commonsphere.jp/doujin/faq/

 

E-04 同人マークとクリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、何が違うのですか?

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスでは、一定の条件を守れば作品をそのままコピーできることが前提ですが、同人マークでは、作品をそのままコピーすることはできず、必ず作品を翻案して二次創作する必要があるなど、様々な点で異なります。

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスには、作品のコピーは認めず二次創作を黙認する、日本のいわゆる同人文化にマッチしていないという指摘があり、今回の同人マークがつくられた背景の一つとなっています。

 

(以上引用)

 

 

クリエイティブコモンズライセンスと同人マークライセンスの違いは、クリエイティブコモンズライセンスと、けものフレンズの二次創作ガイドラインの違いと全く同じで、素材コピーして二次利用できないという部分である。

そして同人マークライセンスとけものフレンズの二次創作ガイドラインを比較した場合、この部分は共通点となる。

さて、ここで同人マークライセンスがコピーを認めないのは、

作品のコピーは認めず二次創作を黙認する、日本のいわゆる同人文化にマッチしていない

という理由である事が分かった。

同様にコピーを認めないけものフレンズの二次創作ガイドラインにも、同じような考えが下地にあると考えて間違いないだろう。

 

しかし、同人マークライセンスとけものフレンズの二次創作ガイドラインを比較した場合、異なっている点もかなり見つかる。

 

第1条(利用許諾)

 

1.許諾者は、利用者に対し、本作品について、全世界において、本作品の著作権の存続期間中、本ライセンスの各条項に従い、利用者自身が、二次創作同人誌を作成し、同人誌即売会において配布すること(有償および無償の場合双方を含みます。また、インターネット配信やCD、DVD等のデジタルメディアでの配布などのデジタルデータによる配布は除きます。以下同じ)を非独占的に許諾します。

この同人マークライセンスの面白い点は、二次創作を許可する領域がなぜだか狭いという点である。不思議な事に、このライセンスで許可されるのは、同人「誌」という紙媒体だけである上に、同人誌即売会(コミケなど)で配る場合のみなのである。

けものフレンズの二次創作ガイドラインの場合は、

1.二次創作(自作物のみ)の許可範囲

(1)イラスト、同人誌、マンガ、小説などの作成、各種運用

(2)コスプレ衣装の作成、およびコスプレによる各種活動、その各種運用

とあるように、同人マークライセンスに比べるとかなり広く実効的なものに見える。

しかし調べてみると、この不思議な狭さには理由がある事が分かった。

 

(以下引用)【https://commonsphere.jp/doujin/faq/】

 

B-04 なぜ、デジタルデータを利用した同人作品の配布が許諾の範囲から除かれているのですか?

 

同人マークでは、できるだけ多くのオリジナル作品の作者が利用しやすいマークにするため、作者の間で考えが分かれそうな部分については狭めにライセンスの範囲を設定し、もっと広く同人活動をみとめてよいと思う作者には追加の意思表示をお願いする方式にしています。

 

なお、同人マークが、デジタルデータを利用した二次創作について従来と変えるものではないことについてはB-01を、オリジナル作品の作者がデジタルデータを利用した同人作品の配布を追加で許諾できることについてはB-10〜B-11をご確認ください。

 

(以上引用)

 

つまり、同人マークライセンス単体での許可範囲を狭くする事によって、作者が自分で許可範囲をカスタマイズできるようにするという意図があったのだ。この、「作者が自分で」、「柔軟に」、という部分は、クリエイティブコモンズライセンスの考え方を継承している。あの四つのマークが無いという違いは、クリエイティブコモンズライセンスに比べてより高い柔軟性を求められる事を予期し、多少の手軽さを犠牲にしているということなのだろう。

つまり、同人マークライセンスをカスタマイズすれば、けものフレンズの二次創作ガイドラインとほぼ同じものを作れるということになる。

にも関わらず同人マークライセンスが使われていないというのは、同人マークライセンスをカスタマイズする労力と自分でガイドラインを作る労力が、残念ながらあまり変わらないからなのかもしれない。

現時点ではあまり使われていない同人マークだが、TPPなどによって同人業界が委縮する、かつ、同人マークが多くの人に知られるようになった場合はその真価を発揮するに違いない。現に私も、けものフレンズに二次創作ガイドラインがあることを最近まで知らなかったのだ。

同人マークは委縮防止策としては素晴らしい。問題は現在全く委縮していないことと、委縮する事態になった時のために普及しているのが望ましいがあまり普及していない事である。(少し名前がいかがわしいのがもったいないと思う。)

(けものフレンズの二次創作ガイドラインについて⑤ ~三つの比較まとめ~へ続きます)

(このブログは私の言語訓練に用いられます)