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チンパンジー言語訓練ブログ

このブログは私(チンパンジー)の言語訓練に用いられます。

リトルウィッチアカデミアの「見させるCM」 ~曖昧な境界線~

(リトルウィッチアカデミアのネタバレが一部含まれますので、最新話[17話]まで見ていない方は注意してください)

キルラキル」などで知られるトリガーの新作、「リトルウィッチアカデミア」が二期に入ってしばらく経つ。私も絶賛視聴中だ。控えめに言ってとても面白い。超面白い。

今回はそのリトルウィッチアカデミアのCMの話である。

リトルウィッチアカデミアは本編放送の合間に、リトルウィッチアカデミアのDVD、ブルーレイのCMが入る。深夜アニメによくあるパターンだ。

流れているのはこんな感じのCMだ。

  

本編映像を切り貼りして、声優の方にちょっとしゃべってもらう、ありがちな低予算で済むCMである。私も最近までこのCMを気に留めることはなく、聞き流すないしは早送りしていた。しかしこのCMの様子が最近おかしいのだ。

映像自体が特に何か変わった訳ではない。新しい、他のキャラクターバージョンのCMをどんどん投入してきているが、本編映像を切り貼りするフォーマットが変わった訳ではない。新規投入ペースが少し早いのは早いが、相変わらず低予算で済みそうなCMだ。

問題は声優の方にちょっとしゃべってもらう、その内容だ。

 

先々週のリトルウィッチアカデミア16話、「ポポヨラの試練」は、今までと比べると、話があまり進まなかった回だった。その16話、新しいCMが投入された。

 


このCMでスポットライトを浴びたキャラクターは、二期からの新キャラクター、クロワ先生である。謎の多いキャラクターで、何かと暗躍しているけど真意が見えないといった感じだったのだが、なんと、「CMで」、「初めて」真意の一部をのぞかせた。完全に不意打ちである。謎キャラクターの真意はもったいぶって見せるものだと思っていたが、まさかのCMで出してきた。結果、16話はCM部分で一番話が進むという感じになった。

 

そして先週、17話「アマンダ・オニール・アンド・ホーリー・グレイル」。この回も面白かったのだが話はあまり進まなかった。しかし話の中に少し伏線を入れてきた。

フィネラン先生の「キャベンディッシュ家が大変な時に…」というセリフである。主人公のライバルキャラである、ダイアナ・キャベンディッシュに何かが起こっている事をにおわせた。え?何何?次回やるのか?….と思っていたのだが、ここでまた新CMが投入された。

 


ダイアナと寮の同部屋である、ハンナとバーバラver.のCMだ。前回に続き再び度肝を抜かれた(このCMが本編とエンディングの間ではなく、本編の中間というタイミングで来たのも大きい)。こんなにもCMで話を進めるか?クロワ先生ver.は意図しないネタバレミスだったのかなあと自己処理していたが、今回は完全に分かってやっている。多分クロワ先生ver.もミスではなく、敢えてだったのだ。

 

他の似たような深夜アニメの低予算CMを見ていても、CMの内容は本編とあまり関わりの無い、スピンオフ的な感じに収めるのが普通だ。本編とタイミングと内容をガッツリ合わせてくる、本編の延長線上にあるようなCMを私は見たことがない。

(そういえば、本編とcmの境界線を完全に無くしてしまうタイガー&バニーという例があるのを忘れていた。あの作品の新しいビジネスへの挑戦ははかなり注目されていた。)

リトルウィッチアカデミアのやり方は常識外れだと思うが、同時に賢いやり方だとも思う。

そもそもこのアニメは深夜アニメなので、日曜日の夜遅くに放送される。そのため、おそらく多くの人が生ではなく録画で見ると思われる(私は楽しみなので生で見るが)。私も過去に言及しているのだが、録画視聴というのは放送側にとって大きなデメリットを抱えている。

CMが早送りで飛ばされてしまうのだ。民放は広告で成り立つため、これは死活問題である。(ちなみに、深夜アニメの場合は視聴しやすく[されやすく]なるメリットが大きい。深夜アニメ人気が2010年代に加熱し始めたのは多分HDDのおかげだ。)

録画で見る人にどうやって広告を見てもらうかは、アニメに限らず民放にとって深刻な課題だ。リトルウィッチアカデミアのCMは、一つの答えではないかと私は思う。本編の延長線上にあるリトルウィッチアカデミアのCMはどうしても見逃せない。そのため私は録画で見る時にも、CM部分を飛ばさずに全部見るハメになってしまう。賢い戦略だ。

(どのタイミングでそのCMが来るか分からないので、早送りをするのが面倒なのだ。少し過ぎて巻き戻すという作業をするくらいなら、早送りせずにだらだらと見るのを選んでしまう。)

もちろん、このCMは限られた放送時間に収まらなかった世界観を拡張するというところでも一役買っている。CMを飛ばせなくするのは通常嫌われがちだが(youtybeなどで15秒飛ばせないCMが来たらイラッとするだろう)、この機能のおかげで嫌悪感を買わずに済んでいる。本編だけじゃ足りないと思うのは視聴者も同じだ。(この機能については他のほとんどの深夜アニメのCMにも同じ事が言える。)

また、リトルウィッチアカデミアはなぜか予告を放送しないのだが(多分スケジュール上の理由と全てのリソースを本編につぎ込むためだ)、最近はその予告の意味合いをも持ち始めている。

 

本編とCMの境界線を曖昧にするというのはかなり型破りな試みだが、こうして見ると一石二鳥、三鳥である。その上CM自体は多分かなり低予算で済んでいるだろうというのが素晴らしい。声優の方にしゃべってもらうセリフを他とちょっと変えただけで、これだけ大きな効果が期待できるのだ。

この「見させるCM」というやり方は今のところ多分マイナーだが、リトルウィッチアカデミアをきっかけに少しずつ広まる….かもしれない。

いずれにせよ、HDDが普及した現在、CM自体を魅力的にしなければならないのは明らかだ。電通など広告代理店や、広告制作会社の活躍に期待がかかる。

(このブログは私の言語訓練に用いられます)