チンパンジー言語訓練ブログ

ぜひ目次を見て下さい(一番上の記事です)。twitter:@chimp_liuwusi

ジャン=ミシェル・バスキアとhiphopカルチャー

zozotown前沢友作氏云々で最近話題になったバスキアに関する記事。

 

ストリートからのし上がったことで有名なバスキア。彼の作品は、hiphop四要素の一つ、グラフィティアートをモチーフにしていると言われている。そんな彼の作品と、hiphopの関係性について思った事を述べようと思う。

 

彼の活動期間は80~87の7年間であるらしいが、グラフィティアートが生まれたのが1970年。TAKI183が有名だ。彼に影響を与えたであろう~80年のグラフィティは、現在よく見られるような巨大でクオリティの高いグラフィティ(マスターピースと呼ばれる)ではなく、TAKI183のようなスプレーやマーカーで文字を短時間で書くグラフィティ、「タギング」がまだまだ主流だったと思われる。

ここで、彼の作品とタギングを見てみる。まず、バスキアの作品。

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notary 1983

 

こっちがタギング

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タギングのマーカーやスプレー特有のフォントは真似されていないものの、ストリートのカオスさ、モワモワ感はバスキアの作品からも感じられて、影響を受けているなと思う。

バスキアは絵画に文字を書いたり、その文字を一部塗りつぶすという表現手法が得意だが、これも壁に収まりきらないタグがひしめき放つ熱気に似たものを感じる。

ウィキペディアでは「グラフィティとの関係はあまりない。」とあるが、私には大アリに見える。

ジャン=ミシェル・バスキア - Wikipedia

 

だが、バスキアがhiphopから受けた影響はこれだけなのだろうか?

いや、違う。もっと根本的なところでバスキアはhiphopの影響を色濃く受けていたと私は考える。それは、バスキアの「絵の描き方」である。

バスキアはどのように絵を描いていたのか?

彼には特殊な体質があった。今までの人生で見てきたものを正確に思い出し、自分の形でアウトプットすることができた。彼はテレビ、コミック、音楽、様々なものをたくさんインプットし、それを後でアウトプットするという方法で絵を描いていた。

では、彼のインプットとアウトプットを見てみよう。

 

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ゴッホの自画像とバスキアの作品

 

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モナリザとバスキアの作品

 

このように、自分が過去に見た作品を「サンプリング」し、自分の形でアウトプットしている。

これは、hiphop四要素の一つ、「DJ」の手法である。

クールハークがブレイクビーツを発見したのが70年半ばであるのを考えると、時間的にも辻褄が合う。彼は音ではなく、絵をアウトプットしたDJと言ってもいいかもしれない。

 

今のhiphopにどっぷり浸かっていると、バスキアの作品はhiphopと関わりの無い、ムズカシイ現代アートに見えてしまうが、当時のhiphopシーン(グラフィティシーン)をかんがみると、また、その描き方に注目してみると、彼の作品はhiphopカルチャーと深く関わっているように見える。

hiphopカルチャーに興味を持っている方、詳しい方は、バスキアの作品を見てみると何か感じるものがあるかもしれない。

 

なお、以上の内容とほぼ同じことが下記リンクにて詳しく、分かりやすく説明されている。

上村 夏実 | 優秀作品展 | 武蔵野美術大学 美術館