チンパンジー言語訓練ブログ

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情報はフリーになりたがる一方で、高価になりたがる②

(情報はフリーになりたがる一方で、高価になりたがる① の続きです)

 

世の中は情報(データ)化がどんどん進んでいる。

つまり、あらゆる物がカメラやスキャナーなどによりPCやスマホに取り込めるデータに変換できるようになり、プリンターや3Dプリンターなどを用いてデータから物への変換もできるようになった。そして、誰もがたくさんのデータを保存できるようになり、インターネットを通じて世界中の人々とデータをやりとりできるようになった。

このような状況下、本、音楽、漫画といった情報を売るビジネスが苦境に立たされるのは当然だと言える。

また、今まで「情報を売るビジネス」だと思われていなかったビジネスも、今後はその苦しい「情報を売るビジネス」に分類されることになるだろう。

例えばプラモデル。プラモデルは一見情報を売るビジネスには見えないが、近いうち、3Dスキャナーと3DプリンターのおかげでCDやゲームのように「割れ(知的財産権侵害)」の影響を受けることになるのは目に見えている。

こうなると、プラモデルを売っているというよりは、3Dデータと、そのオマケにプラスチックの塊を売っているという解釈ができるようになる。

近いうちはプラモデルくらいで済むかもしれない。が、スキャナーとプリンターの性能が上がれば、もっと多くの物が、「物」ではなく「情報」と捉えられるようになるだろう。

かなり多くのビジネスがこの先、苦し~い苦し~い「情報を売るビジネス」の仲間入りを果たす。

 

 

さて。

データを扱うビジネス、特に最近海賊版に苦しめられている音楽、漫画、アニメ業界は、フリーになりたがる一方で高価になりたがるというデータの二面性を上手く利用しなければ生き残れないだろう。

つまり、「フリーになりたがる潤沢な情報」で商売をするのはもはや不可能であるため、「高価になりたがる希少な情報で」商売をしなくてはならないのだ。

 

そして、①で説明したように、「高価になりたがる希少な情報」とは、「まだこの世に存在していないデータ」である。

つまり、情報を売って商売するには、まだこの世に存在していない情報を売って商売する必要があるのだ。

 

一体どうやって?どう進化すればいい?

 

簡単に言うと、既にある情報をたくさんコピーして売るCD、DVD、本といった「大量生産」、「計画生産」、「見込み生産」といったスタイルではもうやっていけない。そのため逆の、「受注生産」というスタイルでビジネスにシフトしていくしかない。

 

(受注生産へのシフト。音楽業界でもその流れを垣間見ることができる。

ゆず、ミスターチルドレンいきものがかり。これら人気のミュージシャンに共通する点は、受注生産が上手だということではないだろうか。「こんな映画、ドラマ作るので、こういうイメージのテーマ曲お願いします」という注文に、しっかりと答えられるミュージシャンのように思える。)

 

そして、情報化、ネット化のせいで大量生産が苦しくなる中、逆に情報化、ネット化のおかげで新しい受注生産のスタイルが活気づいている。

そう、クラウドファンディングである。クラウドファンディングで売るというスタイルには、情報の大量生産スタイルを殺す「割れ」は無い。なぜなら、まだ誰もデータを持っていないからだ。どこにもないデータは「割れ」ない。クラウドファンディングこそ最大の割れ対策である。

 

(クラウドファンディングについてはこの記事の前半で軽く説明しています。雑な説明ですが、どういうものかイマイチ分からない方はよければ読んでみてください。)

 

一旦資金を集めて作品を作り公開してしまうと、実は「割れ」がクリエイターの大きな味方になる。「割れ」は負の面ばかりが強調されているが、実はよい面もある。大きな宣伝効果だ。

無料で誰でもアクセスできるという状況は、最もたくさんの人にその作品を知ってもらえるという状況である。つまり、最も大きな広告効果を見込める状況だ。テレビでCMを流したり、SNSでバズらせたりするよりも、より多くの人から、より大きな関心を集める事ができるのである。

つまり、「割れ」を認めて作品をフリーな状態にするというのは、次に行うクラウドファンディングで出資してくれる潜在的顧客を探すのに最も適当な手段であると言える。

 

クラウドファンディングで「この世にまだ存在しない希少な情報」を売りつつ、完成した「既に存在する潤沢な情報」を配布し、広告として活用する。

本やDVDを売る従来のビジネスモデルとは真逆のやり方なのだが、このビジネスモデルがこの時代での正解ではないか、このモデルでしかもう無理じゃないかと私は思う。

 

しかし、このモデルにも問題はある。フリーライダーの問題だ。

得られる情報はみんな同じなのに、ある人はお金を払っていて、ある人は払っていないという状態になってしまう。

(まあでも、現時点でも買う人と割る人がいるからどっちにしろそういう状態なのだが。)

こうなると「誰かが払うから払わないでおこう」、「私だけ払って他の人はタダで利用できるなんてズルいから払わない」とみんなが思ってしまい、資金が集まらないという事が起こると予想できる。

このあたりを上手く角を立てずにできればクラウドファンディング、つまり「現代のパトロン」のシステムは上手くいくだろう。この部分は中国の直播、生配信サイトに学ぶところがあると私は考える。

 

フリーライダーや直播などについてはこれから勉強するつもりだ。もしかしたら③として記事にするかもしれない。